『科学ジャーナリズムの世界』日本科学技術ジャーナリスト会議 編 化学同人 2004年

『科学ジャーナリズムの世界』日本科学技術ジャーナリスト会議 編 化学同人 2004年。


科学ジャーナリズムの世界―真実に迫り、明日をひらく

目次と執筆担当者

科学ジャーナリズムの世界 まえがき

1部 いま、なぜ科学ジャーナリズムなのか

1章 科学ジャーナリズムの新しい使命・・・・・・牧野賢治 一九五九年毎日新聞社入社、編集委員(科学・ 医学担当)を経て、現在、東京理科大学教授。
2章 科学は市民にうまく伝えられているか・・・・・・保坂直紀 一九八五年読売新聞社入社、東北総局 、筑波支局などを経て、現在、科学部記者。
3章 研究者の科学ジャーナリスト観・・・・・・渡部潤一 国立天文台広報普及室長を経て、現在、自然科学研究機横国立天文台助教授、兼総合研究大学院大学助教授。
4章 誤報・虚報から学ぶ・・・・・・柴田鉄治 一九五九年朝日新聞社入社、論説委員(科学・教育担当)、科学部長、社会部長、出版局長を経て、現在、国際基督教大学客員教授。
コラム1 「資料を読んで、出直せ」 (内山幸男)

2部 科学を伝えるメディア

5章 新聞社の科学部・・・・・・北村行孝 一九七四年読売新聞社入社、社会部、科学部 論説委員を経て、現在、東京本社科学部長。
6章 通信社 科学報道でもニュースの問屋・・・・・・小川 明 一九七五年共同通信社入社、現在、編集委員・論説委員(科学・医学担当)。
7章 科学者組はこうしてつくられる・・・・・・小出五郎 一九六四年NHK入局、解説委員を経て、 現在、大妻女子大学教授、兼NHK解説委員。
8章 テレビ科学番組の盛衰と未来・・・・・・林 勝彦 一九六五年NHK入局、東京大学先端科学技術研究セソター客員教授を歴任し、現在、NHKエンタープライズ21、エグゼクティブ・プロデューサー。
9章 科学雑誌はどう読まれているか・・・・・・高木靱生 一九七二年日本経済新聞社入社、編集委員、科学技術部長、『日経サイエンス』編集長などを経て、現在、日経サイエンス社代表取締役社長。
10章 「科学の本」の事情・・・・・・生越 孝 一九六八年講談社入社、現在、学術図書出版部長。
11章 ネット上の科学ジャーナリズム・・・・・・森山和道 一九九三年NHK入局、ディレ クターを経て、現在、フリーの科学ライター。
コラム2 スパイ・売人・越境者(長辻象平)

3部 科学ジャーナリストの条件

12章 科学記者の仕事・・・・・・井上能行 一九七七年中日新聞社入社、科学部長を経て、現在、 東京新聞(中日新聞東京本社)編集局デスク長。
13章 医学・医療ジャーナリズムに求められる視点・・・・・・瀬川至朗 一九七八年毎日新聞社入社、ワシントン特派員、編集委員を経て、現在、科学環境部長。
14章 科学ジャーナリストをどう育てるか・・・・・・柴田鉄治
15章 求められる新しい科学ジャーナリスト像・・・・・・井上正男 一九八八年北國新聞社入社、論説委員(科学技術・医学担当)を経て、現在、北國総合研究所主任研究員、兼北國新聞論説委員。
コラム3 科学報道と倫理(田村和子)

4部 科学ニュースを追う

16章 生命科学を追って・・・・・・青野由利 一九八〇年毎日新聞社入社 、現在、論説委員、兼科学環境部編集委員。
17章 環境問題に迫る・・・・・・佐藤年緒 一九七五年時事通信社入社、編集委員を経て、現在、環境・科学ジャーナリスト。
18章 地方紙にとっての科学報道・・・・・・飯島裕一 一九七二年信濃毎日新聞社入社、文化部などを経て、現在、 編集委員(医学・科学担当)。
19章 なぜ伝えられない科学技術政策・・・・・・鳥井弘之 一九六九年日本経済新聞社入社、論説委員を経て、現在、東京工業大学原子炉工学研究所教授。
20章 論説委員の主張と現実・・・・・・横山裕道 一九六九年毎日新聞社入社、科学環境部長、論説委員を経て、現在、淑徳大学教授。
コラム4 特ダネの裏話(佐々木孝二)

5部 世界の科学ジャーナリズムはいま

21章 アメリカの科学ジャーナリズムはいま・・・・・・J・コーネル/岡田小枝子訳 JamesCornell ローカル紙記者を経て、一九六三年から二〇〇〇年まで、ボストンにあるスミソニアン協会天体物理学天文台で出版・広報を担当。現在、国際科学ライター協会の会長。
22章 独自の道を歩む『ニューサイエンティスト』誌・・・A・アンダーソン/大島寿美子訳 Alun Anderson 『ネイチャー』(東京支局長)、『サイエンス』を経て、現在、『ニューサイエンティスト』の編集長。
23章 科学雑誌『PM』誌の成功の秘訣・・・・・・W・C・ゲーデ/桃木暁子訳 WolfgangC.Goede 『PM』誌の科学ニュース編集者。
24章 世界の科学ジャーナリストは連帯する・・・・・・高橋真理子 一九七九年朝日新聞社入社、科学部、『科学朝日』編集部を経て、現在、論説委員(科学技術・医療担当)。
コラム5 アメリカは怖い国(中村政雄) 科学ジャーナリズムの世界

6部 【座談会】科学ジャーナリズムの現場から

座談会出席者・・・・・・佐藤年緒/滝 順一/元村有希子/大島弘義 座談会を聞いて・・・・・・嶋田庸嗣/赤岩なほみ/柳田明子
コラム6 ノーベル賞と冷や汗(辻篤子)

7部 科学ジャーナリズム小史科学ジャーナリズム小史および略年譜

・・・・・・武部俊一    一九六一年朝日新聞社入社、科学部長、論説委員を経て、現在、フリージャーナリスト。

コラム7 放射能除去薬はウオッカ!(竹内敬二)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以下、本書の内容で特に目に留まったものを簡単に紹介していきます。

科学ジャーナリズムの世界 まえがき

  1. 日本科学技術ジャーナリスト会議は1994年7月設立。個人が自主的に参加する団体。
  2. 設立10周年を記念して本書を企画、出版。
1章 科学ジャーナリズムの新しい使命・・・・・・牧野賢治
  • ジャーナリズムの本質は、世の中で起きている事柄を広く伝え、必要なら分析し、解説や論評を加えること” (p5)
  • 科学ジャーナリズムの社会的役割は、科学に関する重要な情報を市民に伝達し、市民のサイエンス・リテラシー(科学に関する教養)を豊かにすることを通じて、市民がかかわる科学の問題に対する理解力、判断力、問題解決能力の向上に寄与することである。” (p5)
  • (一流の科学ジャーナリズムの条件6つ)”⑥ジャーナリズムが本来もっているべき番犬的な機能、つまり権力批判的な機能をもっている。科学活動に対する健全な批判精神である。” (p10)
2章 科学は市民にうまく伝えられているか・・・・・・保坂直紀
  1. 中学校の理科にでてくるようなことでさえ、それを前提にした記事を書こうとするとわかりにくい記事とされる。” (p21)
4章 誤報・虚報から学ぶ・・・・・・柴田鉄治
  • 1970年(昭和45年)2月6日朝日新聞朝刊1面トップ「スモン病、ウイルス感染説強まる 患者から新型検出 血清試験でも裏づけ 治療法確立に朗報」2年後には、スモン病が感染症ではなくキノホルムの大量投与による薬害であることがわかり、誤報であったことが確定した。この誤報は唐突に生じたものではなく、もともとウイルス感染説が優性であった状況での報道であったが、決定的という印象を読者に与えたことが問題。
  • 1976年(昭和51年)10月4日 読売新聞朝刊1面トップ「魚の焼け焦げ、煙 突然変異を誘発 発ガン性物質の疑い バクテリア実験で立証、国立がんセンター」 記事の中では定量的な話もしていたが、見出しの定性的な部分が一人歩きしたため、誤報とはいえないが事実上、読者が誤解して受け取ったという意味で誤報とみなさざるをえないという分析。筆者は、これを「間違っていない誤報」と呼んでいます。
  • 1978年 インドの科学者3人が「冷凍受精卵を使って体外受精児を誕生させた」と発表、日本の新聞は一面トップで報じたが、後に虚報であったことが判明。
  • 2000年4月6日毎日新聞朝刊一面トップ「クローン人間妊娠 8週め 伊医師が発表」 2002年の当の医師が否定。
  • 核融合エネルギーの利用に関しては、1955年にジュネーブで開かれた国連原子力平和利用会議でインドのバーバ博士が「20年で実用化しよう」と演説して以来、もっとも夢のある技術として報道され続けてきた。しかし今日に至るまで実用化の気配がない。そういう意味では、これまでの報道すべてが虚報だったといえるのではないかというのが、著者の思うところなんだそう。
  • 「地震予知」の報道は、あたかも地震が予知できるかのような印象を読者に与えてきた。阪神・淡路大震災以降、「地震予知」という言葉は使われなくなり「地震調査」という言葉に置き換えられている。
8章 テレビ科学番組の盛衰と未来・・・・・・林 勝彦
  • NHKスペシャル「調査報告・チェルノブイリ原発事故」1986年 ”1986年4月に起きたチェルノブイリ原発事故。NHKでは、プロジェクトチームを結成し事故を分析するとともに、高性能のポータブル放射能測定器で、北欧から南欧までの重度汚染地帯を調査するなど、2回シリーズで事故の核心に迫った。ソビエト連邦の時代、なかなか情報が出てこないなかで、世界の科学者と連携し、放射能の実態を明らかにしようと取り組んだ姿勢は国際的にも高く評価され、第27回モンテカルロ国際テレビ祭ゴールデン・ニンフ賞、レーニエ3世賞、国際批評家賞を受賞した。今回は、1986年に放送されたものを総集編にして受賞した53分版。”(NHKアーカイブス『シリーズ原子力』)
  • NHK特集「世界の科学者は予見する・核戦争後の地球」(1984年) DailyMotion
  • NHKスペシャル「脳死」(1991年)
  • NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体」シリーズ 「驚異の小宇宙・人体Ⅲ 遺伝子・DNA」の第6集
  • BBC HORIZON 人気科学ドキュメンタリー(隔週放送) Goodbye Cassini Hello Saturn 2017
  • アメリカ ディスカバリーチャンネル
9章 科学雑誌はどう読まれているか・・・・・・高木靱生
  • 2003年5月 文部科学省 科学技術政策研究所「わが国の科学雑誌に関する調査」
  • いつも議論になるのが「日本ではなぜ欧米に比べ科学雑誌の読者が少ないのか」
  • Scientific American アメリカでの発行部数 70万
  • 日経サイエンス 各号あたりの平均発行(実売)部数 25000部強
  • アメリカ POPULAR SCIENCE 155万部
  • アメリカ DISCOVERY 100万部
  • 日本最大の発行部数を誇る ニュートン 30万部(公称)
  • 日本と異なり欧米では科学は教養の一部で、パーティでの話題のになる事柄。このような社会的な背景が発行部数を支えているのではないか。
  • 言葉の問題。専門家が使うidentifyは日常語でもあるが、「同定する」は一般の人は使わない。
  • (1914年-1918年第一次世界大戦)
  • 1921年 科学知識 創刊
  • 1923年 科学画報 創刊
  • 1924年 子供の科学 創刊
  • 1941年 科学朝日
  • (-1945年 第二次世界大戦)
  • 1945年 科学の友 創刊
  • 1946年 国民の科学 科学の世界 科学と技術 科学公論 自然 創刊
  • 1981年 ニュートン COSMO ポピュラーサイエンス 創刊
  • 1982年 オムニ ウータン クオーク トリガー 創刊
  • (1995年 科学技術基本法成立)
  • 1996年 科学朝日がサイアスにモデル替えするも4年後に廃刊
  • (2004年4月 国立大学の法人化)
10章 「科学の本」の事情・・・・・・生越 孝
  1. かつて高校・大学生が中心読者であったこのシリーズが、いまや八〇パーセントが三〇歳以上” (p105)
  2. 1980年代アメリカで科学雑誌ブームが起こり日本に波及。しかし10年も経ずしてほとんどが廃刊に。
  3. ユネスコの「科学リテラシーに関する国際比較」で、日本は低位。バングラデシュの下。
  4. 理科離れが進んでおり選択性の高校物理の履修率が20%を切る。ちなみに1970年代には80%以上。
11章 ネット上の科学ジャーナリズム・・・・・・森山和道
  1. アストロアーツ AstroArts
  2. BioNews (見当たらない。。)
  3. ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)は、1998年に創刊されたインターネットの学術利用をテーマにしたメールマガジン
  4. サイエンス・コミュニケーション NPO法人ポータルサイト 科学研究者及び市民に対して、両者の双方向コミュニケーションを促進するための事業、及び科学研究者が市民社会に対して、更に貢献できる研究環境を整備する事業を行うことにより、社会に散在する「科学研究の知」を有効に活用する、知を駆動力とした社会システムを構築することを目的とする (内閣府) http://scicom.jp/ 403 Error
  5. 最相 葉月(さいしょう はづき) ノンフィクションライター。(ウィキペディア
  6. 理科教育メーリングリスト http://rika.org/ 新理科教育MLは2015年3月16日をもちまして終了しました。2005年3月23日以来、長い間、ご利用頂きまして、誠にありがとうございました。
  7. 市民科学研究室/科学と社会を考える土曜講座 新ウェブサイト http://www.csij.org/
  8. http://www.tit-bls.org/ ドメインの持ち主変わっているみたい。。
  9. NetScience Interview Mail Home – 森山和道 このメールマガジンは発行元の方針変更に伴い、2005年5月26日をもって配信停止致しました。これまでどうも有り難うございました。
  10. ScienceMailは、研究者のインタビューを中心とした科学コンテンツを配信する有料メールマガジンです。
  11. ”なぜ、本格的な科学技術系サイトがないのか。俗な話ではあるが、ウェブサイトを維持するだけのカネがない、というのが直接的な理由だろう。IT系サイトとは違い、科学系サイトでは、カネが回るための仕組みがないのである。” (pp111-112)
  12. Search Inside the Book is a program that lets you search and browse millions of books across Amazon.com. With Search Inside, Amazon search results include matches based on every word inside a book, not just results that match the title or author of the book. It’s like browsing a gigantic bookstore with millions of searchable pages at your fingertips.

ウェブサイトの寿命は短いようで、本書の刊行は2004年ですが、この章で紹介されていたウェブサイトのいくつかはすでに姿を消していたり、形を変えていたりしました。この章の執筆者のウェブサイトですら、”バックナンバーもウェブ上で全て公開”だったものが、方針変更に伴い有料化されています。

15章 求められる新しい科学ジャーナリスト像・・・・・・井上正男
  • たとえ5W1Hに従って記者が記事を書いたとしても、見た現実を取捨選択して文章で再構成せざるをえないわけだから、文字通りの客観報道なるものは存在しない。客観報道とは、たとえそれが行政の発表モノであっても、批判精神をもって何が問題なのか、少数意見にも目配りして多様なもものの見方を公衆に提供していくきわめてクリエイティブな過程を指すものと考えるべきだろう。” (p158)
19章 なぜ伝えられない科学技術政策・・・・・・鳥井弘之
  • 第二次科学技術基本計画づくりでは、何回も会議が開かれ、さまざまな面から議論が弾んだ。最近は情報公開が進んでおり、マスメディアも議論の内容を知る立場にあった。にもかかわらず、議論の過程での報道は多くなかったと記憶している。” (p200)
21章 アメリカの科学ジャーナリズムはいま・・・・・・J・コーネル/岡田小枝子訳
  1. The New York Times, Science
  2. The Washington Post, Health and Science
  3. National Science Foundation (NSF)(nsf.gov)
  4. Smithsonianmag.com
  5. University Research Magazine Association
  6. Harvard Gazette, Science & Health
  7. MIT Technology Review 日本語版 ”この雑誌は長らく、技術が社会に及ぼす影響を考察するという伝統を維持してきたが、技術革新や発明を積極的に報道する新路線に突然変わった。” (p224)
  8. National Association of Science Writers (NASW) ScienceWriters
  9. Council for the Advancement of Science Writing (CASW)
  10. Curt Suplee (curtsuplee.com)
22章 独自の道を歩む『ニューサイエンティスト』誌・・・A・アンダーソン/大島寿美子訳
  1. New Scientist は世界で唯一の大衆向け国際科学週刊誌として、この章ではその成功の秘密を分析しています。
  2. 1956年ロンドンで創刊。ウェブサイトの訪問者数は、毎月150万人。
  3. この雑誌が目指す、”競争に勝ち抜く”ことに関する説明がわかりやすい。他紙との販売競争でも、読者により多くのお金を使わせることでもなく、”読者にどれだけの時間を使わせるか”、を目標に仕事をしているのだそうです。
  4. New Scientistの編集長A・アンダーソンに言わせると、大衆科学雑誌が成功するための条件は、自らをエンターテイメント産業の一部と位置づけること。言い換えれば、娯楽を提供するということ。2つめの条件はビジネスモデルの構築。New Scientistの収益は、雑誌の販売、大型広告(自動車、電化製品など)、求人広告からなるのだそうです。
  5. ジャーナリスト、編集者、デザイナーに求められるのは、科学を伝えることではなく、科学の楽しさを伝えること
  6. 表紙の戦略。読者の大半である男性は宇宙論、技術などの話題など固いものを好むが、女性は生物学や心理学などやわらかい科学を好むので、両者を表紙に反映させている。固いトピックを目立たせる、やわらかい話題を副見出しにもってくる。これにより両者にアピールしている。
23章 科学雑誌『PM』誌の成功の秘訣・・・・・・W・C・ゲーデ/桃木暁子訳
  1. http://www.pm-magazin.de/ 最近の号の表紙
  2. PMはペーター・モーストライトナーの略。ペーターというファーストネームは架空のもの。ドイツで商業的に成功しているの科学大衆紙。1978年11月創刊号。
  3. ヨーロッパなど各国に拡大。ただし各国でドイツ版とは独立した編集にして、それぞれの国の文化や読者の習慣に適応した紙面づくりをしている。フランス:サ・マンテレッス(Ça m’intéresse)、スペイン:ムイ・インテレサンテ、ブラジル:スペルインテレサンチ、イタリア:フォーカス、ポーランド:フォーカス、ロシア:フォーカス
  4. PMがなぜ成功したのかに関して、興味深い分析がなされています。”科学があまり目立たないように工夫されている一方で、『PM』はその背後にある知的な冒険、対立する仮説のドラマ、緊張状態、戦い、勝利と敗北、そして人間的、社会的文脈が明示されている。” (p248)  ”「これが科学だ」と声高にいうことなく、新しい、魅力的な方法で科学を伝えることに成功したからである。” (p250)  ”多くの人は、科学となると、昔、学校で経験した古傷を思い出して、そっぽを向いてしまう。だからその人たちを「科学の船」にのせようとしたら、「船」の名前を知らせないほうがいい” (p250)
  5. フランスには『シアンス・エ・ヴィー(Science & Vie 科学と生活)』という雑誌も広くよまれており、サ・マンテレッス(Ça m’intéresse)や『ナショナル・ジオグラフィック』と共存している。
  6. テレビ、新聞には科学と技術の欄や特集があるし、政治雑誌でも科学を表紙に載せると売り上げが増加する。女性雑誌にも科学コラムがあるし、セックス、ライフスタイル、スポーツなどを内容とする雑誌にも、テクノロジーの紙面がある。

 

科学ジャーナリズムの世界―真実に迫り、明日をひらく
 

参考

  1. 『科学ジャーナリズムの世界』日本科学技術ジャーナリスト会議 編 化学同人 2004年